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保険薬局における外用貼付剤のスキンケア

学会

2015年6月28日

大会名 第18回日本医薬品情報学会総会・学術大会
会期 2015年6月27日・6月28日
会場 岡山大学創立五十周年記念館・一般教育棟
演題名 保険薬局における外用貼付剤のスキンケア
発表形式 ポスター発表
演者名 永﨑 一樹、福田 淳、河野 吉昭、田代 泰理、田辺 晃啓、水町 隆平、矢敷 潤、香月 信一郎、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 貼付剤を使用いている患者で、かぶれが発現している患者が散見されている。その原因として不十分なスキンケア、それに対する薬剤師の説明不足が考えられる。また、かぶれが出ることによって患者のアドヒアランスが下がること、それに伴い十分な治療効果を得ることが出来ないことも考えられる。そこでスキンケアの重要性に対する患者の理解度を把握し、薬剤師が介入することによってどの程度改善するかを調査した。
方法 H26/1/4~1/31に各薬局にてフランドルテープ、硝酸イソソルビドテープ(フランドルテープのジェネリック医薬品)、ミリステープ、ニトロダームTTS、ホクナリンテープが処方されている患者に対してかぶれの発現の有無や患者が行っているかぶれ対策に関するアンケートを実施。その結果を踏まえてH26/4/1よりかぶれが出たことのある患者へスキンケアの指導とそれに関する指導箋を配布し、改善度を追跡調査した。
結果 アンケート対象患者数59例のうち、貼付剤を使用していて過去に1度でも皮膚のかぶれ、かゆみを感じたことがある患者は28例であった。スキンケア指導を行った結果、改善した事例は7例であり、その内訳として貼付場所の変更を行った事例は1例、貼付場所の洗い流しを行った事例は1例、貼付場所の変更と洗い流しを行った事例が3例、貼付場所の保湿を行った事例っが2例であった。また、改善していない事例は4例であった。
考察 かぶれ、かゆみを感じたことがある患者は47%と約半数であり、多くの患者が経験していた。アンケートにてかぶれを経験した患者28例に対して、スキンケア指導を行った結果改善した事例は7例と僅かであるが、指導を行う段階でかぶれが続いている患者が11例と少数であった為、改善度は決して低い結果ではなく、薬剤師の介入によって効果は得られたものと考えられる。また、スキンケア指導を行ったにも関わらずかぶれが改善していないほとんどの事例において、貼付場所の変更と貼付場所の洗い流しは行っているが、保湿剤を使用していない。その理由として、保湿剤購入の金銭的な面や、使用する行為そのものが負担となっていることが考えられる。しかし、保湿剤の使用で貼付剤使用場所の肌の水分量が保持されることにより、上記患者に対してもかぶれの改善の効果が見込めることが予想される。保湿剤の利点に関する指導方法を継続して検討していきたい。

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