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循環器領域における配合錠の有用性についての検討

学会

2014年11月24日

大会名 第76回九州山口薬学大会
会期 2014年11月23日・11月24日
会場 長崎ブリックホール
演題名 循環器領域における配合錠の有用性についての検討
発表形式 ポスター発表
演者名 田代 泰理、岡元 みなみ、河野 吉昭、田辺 晃啓、橋本 彩、東島 彩香、東村 友絵、水町 隆平、福田 淳、櫻井 瞳、永﨑 一樹、東 正直、矢敷 潤、香月 信一郎、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 配合錠とは、2種類の異なる成分をまとめて1つの錠剤へ成形した薬剤である。近年、2種類の降圧剤を併せたものや、降圧剤に脂質異常症治療剤を併せたもの等、様々な種類の配合錠が販売されている。発売当時、配合錠を服用する患者側のメリットとして、剤数が減ることで服用する手間が省けアドヒアランスの向上が望める、薬剤にかかる費用を抑えることができ経済的である等が挙げられていた。しかし最近は、配合錠に含まれる成分の1つを追加併用する処方も少なくない。またジェネリック医薬品(以下GE)の普及によって配合錠での処方と成分2剤での処方の価格差も縮まり、場合によっては逆転している。配合錠に成分の1つを追加併用する処方の場合、少ない剤数で服用できるというメリットも失われることから、現在広く流通している循環器領域における配合錠について、薬剤にかかる費用に視点を置き、その有用性について検討した。
方法 2014年7月現在で薬価収載されている循環器領域の配合錠(34種類)とその成分となる薬剤について、同一成分量で処方された場合の薬価を比較した。成分となる薬剤のうち、GEについては同成分の薬剤中最低薬価のものを選択した。
結果 成分2剤での処方より配合錠での処方が経済的:12件/34件
成分2剤の内訳(GEなし:1件/片方GEあり:11件/両方GEあり:0件)
配合錠での処方より成分2剤での処方が経済的:22件/34件
成分2剤の内訳(GEなし:1件/片方GEあり:9件/両方GEあり:12件)
考察 今回の検討では、配合錠に当初期待されていた経済面におけるメリットが、半数以上失われていることが示唆された。今後更なるGEの普及により、この傾向はより大きくなると推察される。成分2剤での処方が、配合錠での処方の約半分の価格となるものもあり、経済的な有用性については疑問を呈するものとなった。加えて、配合錠に含まれる成分の1つを追加併用する処方の場合、少ない剤数で服用できるというメリットも失われ、配合錠で服用するメリットは更に少なくなる。今後も成分となる薬剤で新たにGEが薬価収載された場合や次回以降の薬価改正後には引き続き検討を行っていくこととする。また、薬局業務の面から考えると、配合錠の種類が増えることにより、確保すべき在庫や業務の煩雑さが増え、経済、調剤過誤両面のリスク増大につながることも懸念されるため、検討を続ける上で今後の課題としたい。

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