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経口抗がん剤の適正使用における臨床検査値開示の影響~薬局薬剤師業務の評価、および今後の課題~

学会

2016年3月12日

大会名 日本臨床腫瘍薬学会学術大会2016
会期 2016年3月12日・3月13日
会場 鹿児島市民文化ホール
演題名 経口抗がん剤の適正使用における臨床検査値開示の影響~薬局薬剤師業務の評価、および今後の課題~
発表形式 ポスター発表
演者名 稲葉 一郎、松藤 充美、天道 美澄、今里 泰、森田 宏樹、橋本 和樹、木戸 宏幸、天方 奉子
目的 平成27年5月から、薬局近隣の大牟田天領病院が、調剤時に必要と思われる臨床検査値(以下、検査値)の院外処方箋への記載を開始した。そこで、副作用モニタリングの意義の大きい経口抗がん剤処方に着目し、適正使用に関する薬剤師業務の評価、および今後の課題について検討したので報告する。
方法 平成27年5月13日から10月31日までに大牟田中央薬局で受け付けた経口抗がん剤(ゲフィチニブ、イマチニブメシル酸塩、エルロチニブ塩酸塩、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤、ビカルタミド、レトロゾール、テガフール・ウラシル)を含む処方箋127枚とその患者38名の薬剤服用歴(以下、薬歴)を対象に、検査値(AST、ALT、WBC、PLT、Cr等)開示状況と処方監査、及び疑義照会の実態について調査した。
結果 38名中1名(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤;胃がん)については期間中、副作用(かゆみ、白血球・血小板減少)発現による休薬、投与スケジュールの変更があったが、検査値確認、患者聞き取り、および薬歴から判断し、疑義照会を要さず調剤できていた。
考察 処方監査に必要な検査値の把握により、疑義照会をせず調剤を行うことができていた。また、検査値を経時的に記録することで副作用のモニタリングが可能になり、副作用に関する服薬指導、及び薬歴記載内容がより具体的になっていた。今後は、電子薬歴の記載ポイント、および記載方法の統一等により、薬剤師業務の効率化を図る必要がある。また、投与スケジュール、及び検査値の相関を把握するための情報の視覚化も有効と考える。

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