We Blog WeBlog

小児の服薬指導に役立つ説明書の作成

学会

2016年6月4日

大会名 第19回日本医薬品情報学会総会・学術大会
会期 2016年6月4日・6月5日
会場 昭和薬科大学
演題名 小児の服薬指導に役立つ説明書の作成
発表形式 ポスター発表
演者名 東村 友絵、近藤 優樹、長尾 尚俊、東島 彩香、水町 隆平、櫻井 瞳、矢敷 潤、田代 泰理、永﨑 一樹、東 正直、河野 吉昭、香月 信一郎、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 重要な薬剤師業務の一つに服薬指導がある。その中でも特に小児の服薬指導では、保護者に対して説明する場合が多くなり、保護者への配慮が必要となる。しかし、小児に医薬品を使用させるとき、その難しさや不安を感じている保護者が多く、結果としてアドヒアランス不良となる事例が散見される。そのため、保護者に対して医薬品の使用状況に関するアンケート調査を行い、アドヒアランス不良の要因となり得る訴えが多い事項に対する説明書を作成し、服薬アドヒアランスの向上を試みた。
方法 2015年12月1日~2015年12月29日(29日間)の間にゆうゆう薬局にて処方せんを応需した10歳未満の小児の保護者に対し、医薬品の使用状況に関するアンケート調査を実施した。アンケート項目は、患者の年齢と性別、記入者の続柄、医薬品の使用に関する不安の有無と不安要因とし、さらに医薬品を受け取る際に聞いておきたいことや知っておきたいことも調査した。
結果・考察 調査期間で105名の小児のうち97名(92%)から回答を得ることができた。使用時に困ったことや分からなかったことがあると回答した患者は56名(58%)、年齢別で見ると1、2歳児に少し多く見られた。剤形別では粉薬が圧倒的に多く、次いで漢方薬が多いという結果になった。医薬品を受け取る際に聞いておきたいことや知っておきたいことでは、上手に飲ませる方法、飲み合わせ、副作用、保管方法や破棄方法などの様々な声が挙げられた。上記を踏まえて、不安要因に対して重点的に服薬指導が実施できるような粉薬および漢方薬の説明書を作成した。作成には各製薬会社の説明書を参考にした。今回のアンケート調査の実施により服薬指導の際には患者背景を考慮し、それぞれの患者に合わせた説明ができれば、小児の服薬アドヒアランス向上にも繋がるのではないかと考えた。また回答数が多かった不安要因に対して重点的に投薬説明を実施することで、小児やその保護者の不安感を軽減できると考えた。また、薬剤師は医薬品の適正使用のために飲み合わせなどの知識も広げて柔軟に対応ができるようにしなくてはならない。今後は作成した説明書を活用し、小児やその家族にとって必要な情報の提供や不安の解消を行い、服薬アドヒアランスの向上に努めたい。

Contact Us

ご意見、ご相談、料金のお見積もりなど、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

TOP