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グレープフルーツジュースと医薬品の相互作用に対する患者の認識度調査

学会

2017年7月9日

大会名 第20回日本医薬品情報学会総会・学術大会
会期 2017年7月8日・7月9日
会場 慶應義塾大学薬学部
演題名 グレープフルーツジュースと医薬品の相互作用に対する患者の認識度調査
発表形式 口頭発表
演者名 東島 彩香、長尾 尚俊、水町 隆平、矢敷 潤、櫻井 瞳、田代 泰理、近藤 優樹、河野 吉昭、香月 信一郎、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 グレープフルーツジュース(以下、GFJ)は、高血圧症、脂質異常症の治療薬などと相互作用が多く、服薬指導が重要である。そこで、当薬局の在庫品目の中で添付文書にGFJとの相互作用について記載がある医薬品の割合と服薬指導時にGFJとの相互作用を説明すべき患者の割合を把握した上で、GFJとの相互作用に対する患者の認識度について実態調査を行った。
方法 1)添付文書にGFJと相互作用の記載がある医薬品をリストアップし、在庫品目数に対してGFJとの相互作用についての記載がある医薬品の割合を算出した。2)服薬指導時にGFJとの相互作用を説明すべき患者の割合を薬歴にて算出した。3)2016年4月21日~2016年5月20日に応需した処方せんの中でGFJと相互作用のある医薬品を服用中の患者に、GFJとの相互作用について聞き取りでアンケート調査を実施した。調査内容は①普段からGFJを飲んでいるか?②薬の中にはGFJと相互作用のあるものがあることを知っているか?③GFJと相互作用のある医薬品があることをどこで知ったか?④本日の処方薬にGFJと相互作用のあるものがあるか?の4項目である。
結果 在庫品目の中でGFJとの相互作用の記載がある医薬品の割合は4.6%であった。一方、服薬指導時にGFJとの相互作用を説明すべき患者の割合は28.3%と6倍近くであった。536人にアンケート調査を実施し、回答数が509人、拒否数あが27人。GFJを普段から飲んでいる人は29人、飲んでいない人は480人。GFJを飲んでいる人のうち、医薬品とGFJとの相互作用を知っている人は12人、知らない人は17人。GFJを飲んでいない人のうち、GFJとの相互作用を知っている人は326人、知らない人は154人。GFJとの相互作用を知ったきっかけは総数379件(複数回答可)のうち、薬剤情報提供書87件(23.0%)、薬剤師80件(21.1%)、医師76件(20.1%)、テレビ38件(10.0%)、看護師24件(6.3%)の順であった。
考察 今回の実態調査で、服薬指導時にGFJとの相互作用を説明すべき医薬品を服用している患者は全患者の28.3%を占めた。アンケート調査では医薬品とGFJとの相互作用を知らない患者が3人に1人と多いことがわかった〔(17+154)/509×100=33.6%〕。薬剤師の服薬指導でGFJとの相互作用を知った患者が多いとの結果から、今後も医薬品とGFJとの相互作用の説明を徹底したい。

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