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小児の服薬指導に関するアンケート調査と説明書の作成

学会

2017年9月17日

大会名 第78回九州山口薬学大会
会期 2017年9月17日・9月18日
会場 シーガイアコンベンションセンター
演題名 小児の服薬指導に関するアンケート調査と説明書の作成
発表形式 ポスター発表
演者名 長尾 尚俊、東島 彩香、水町 隆平、矢敷 潤、櫻井 瞳、田代 泰理、近藤 優樹、河野 吉昭、香月 信一郎、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 重要な薬剤師業務の1つに服薬指導がある。その中でも特に小児の服薬指導では、保護者に対して説明する場合が多くなり、保護者への配慮が必要となる。しかし、小児に医薬品を使用させるとき、その難しさや不安を感じている保護者が多く、結果としてアドヒアランス不良となる事例が散見される。そのため、保護者に対して医薬品の使用状況に関するアンケート調査を行い、アドヒアランス不良の要因となり得る訴えが多い事項に対する説明書を作成し、アドヒアランス向上を試みた。
方法 2015年12月1日から2015年12月29日(29日間)の間にゆうゆう薬局にて処方せんを応需した10歳未満の小児の保護者に対し、医薬品の使用状況に関するアンケート調査を実施した。アンケート項目は、患者の年齢と性別、記入者の続柄、医薬品の使用に関する不安の有無と不安要因とし、さらに医薬品を受け取る際に聞いておきたいことや知っておきたいことも調査した。
結果・考察 調査期間で105名の小児のうち97名(92%)から回答を得ることができた。使用時に困ったことや分からなかったことがあると回答した患者は56名(58%)、年齢別で見ると1、2歳児に少し多く見られた。剤形別では粉薬が圧倒的に多く、次いで漢方薬、水薬、坐薬、点眼薬という結果になった。医薬品を受け取る際に聞いておきたいことや知っておきたいことでは、上手に飲ませる方法、飲み合わせ、副作用、保管方法や破棄方法などの様々な声が挙げられた。上記を踏まえて、不安要因に対して重点的に服薬指導が実施できるような粉薬、漢方薬、水薬、坐薬、点眼薬の説明書を作成した。作成には各製薬会社の説明書を参考にした。今回のアンケート調査の実施により服薬指導の際には患者背景を考慮し、それぞれの患者に合わせた説明ができれば、小児のアドヒアランス向上にも繋がるのではないかと考えた。また、回答数が多かった不安要因に対して重点的に使用説明を実施することで、小児やその保護者の不安感を軽減できると考えた。薬剤師は、医薬品の適正使用のために飲み合わせなどの知識も広げて柔軟に対応ができるようにしなくてはならない。今後は作成した説明書を活用し、小児やその家族にとって必要な情報の提供や不安の解消を行い、アドヒアランス向上に努めたい。

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