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介護施設職員に対する居宅療養管理指導のアンケート調査と熊本地震から分かった在宅医療における薬剤師の役割

学会

2017年9月18日

大会名 第78回九州山口薬学大会
会期 2017年9月17日・9月18日
会場 シーガイアコンベンションセンター
演題名 介護施設職員に対する居宅療養管理指導のアンケート調査と熊本地震から分かった在宅医療における薬剤師の役割
発表形式 ポスター発表
著者名 尾脇 まり子、沼田 朋和、德山 智治、熊野御堂 悠、穴見 江梨子、坂本 豊伸、塚本 賢児、天方 奉子、稲葉 一郎、今里 泰、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 介護施設の入居者の多くは数種類の薬を服用しており、薬の管理が複雑になることが多いため、入居者本人で服薬管理ができているケースは少ない。実際には施設職員による服薬管理が大半のため、服薬管理に携わる職員に対して、居宅療養管理指導に薬剤師が何を求められているのかアンケート調査を実施した。、アンケート調査後に熊本地震が発生したため、みなし仮設住宅(高齢者向け賃貸住宅)に転居した患者へアンケート調査より得られた情報を元に居宅療養管理指導を実践した。
方法 介護付有料老人ホーム(2施設)・グループホーム(1施設)の施設看護師・介護スタッフを対象に薬剤師が何を求められているのかについて全9項目のアンケート調査を実施した。熊本地震発生後、自宅が全壊後に避難所を経てみなし仮設住宅に転居した患者のアドヒアランス、血圧推移を調査した。
結果 アンケート調査の結果、1)担当薬剤師の対応、2)訪問時間・タイミングに関してはそれぞれ73%、61%の満足を得た。3)薬剤師による情報提供・薬剤指導に関しては72%の満足を得たが、薬の飲み合わせや副作用についてもう少し詳しく教えて欲しいとの意見があった。4)臨時処方に対する薬局の対応の早さに関しては46%の満足に留まった。5)残薬整理・重複投与の回避、6)薬剤一包化についてはそれぞれ64%の満足を得た。7)薬の管理を薬剤師に依頼することで介護に専念する時間が増えたと感じているのは90%との結果を得た。8)利用者への配薬または薬を服用させる時に不安を感じると答えたのは10%に留まった。9)薬剤師による居宅療養管理指導を利用した感想は副作用の早期発見へ繋がる、利用者へ安心感を与えるなどがあった。これらの情報を参考に熊本地震発生後、居宅療養管理指導を開始した患者に、ケアマネジャーや介護ヘルパーと連絡帳を介し連携を図ることでアドヒアランスが向上し、血圧が安定した。
考察 アンケート調査の結果より薬剤師の在宅医療への介入で介護に専念する時間が増えたなどの評価を得た反面、臨時処方への対応の早さなどの検討課題もみつかった。また高齢者向け賃貸住宅は介護付有料老人ホームやグループホームと異なり外部のサービスを利用するため、情報共有ができていないケースが多くみられる。連絡帳を利用し積極的に薬剤師が介入することでアドヒアランス向上へ繋がった。今回の調査結果を今後の居宅療養管理指導へ生かしたい。

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