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Evidenceから標準医療を知り、医療費削減を考える

学会

2017年9月22日

大会名 第78回九州山口薬学大会
会期 2017年9月17日・9月18日
会場 シーガイアコンベンションセンター
演題名 Evidenceから標準医療を知り、医療費削減を考える
発表形式 シンポジウム
演者名 木戸 宏幸(Chemist and Pharmacist)
概要 Evidenceは日本語で、「証拠」や「証言」などと訳される。医療現場では主に「Evidence-Based Medicine(EBM)」として使われ、よく耳にする言葉である。分かりやすく説明すれば、経験に基づいて医療を行うのではなく、科学的根拠に基づいて医療を行うことになる。ここでいう科学的根拠とはエビデンスレベルの高い研究データを分析し、一定の結果を示したものである。この結果が、時として私たち医療従事者に驚きを与えることもある。
Guidelineは日本語で、「基本線」や「指針」などと訳される。現在、最も引用されるのが米国医学研究所(現・米国医学アカデミー)による定義で、「医療者と患者が特定の臨床状況での適切な診療の意思決定を行うことを助ける目的で系統的に作成された文書」とされている1)。日本でのガイドラインのはじまりは、1999年3月の厚生労働省の医療技術評価推進検討会で「根拠に基づく医療(EBM)」について検討され、その普及及び推進のために、ガイドライン策定が促進されたことに端を発している。このガイドライン策定の元となるのが、evidenceであり、エビデンスレベルの高い研究データを数多く集め、分析し、ガイドラインとして系統的に作成されることになる。つまり、ガイドラインは、現時点で最も効果が期待できる標準医療となる。
標準医療を理解することで、どの治療が最も効果があるかを知り、無駄な薬や検査などを省くことができるといわれている。特に、今問題となっている高齢者を中心としたポリファーマシーにおいても、標準医療を知ることで無駄な薬を省くことができる。もちろん、多くのガイドラインで使用されているevidenceのparticipants(参加者)はベースラインが整えられているので、一概に比べられないが、ポリファーマシーの問題を解決する糸口になるのは間違いないだろう。
Evidenceを無駄な薬を省くという「医薬分業」の本来の姿と重ね合わせることで、医療費削減につながるのではないかと期待している。
1)Field M, Lohr K. Clinical Practice Guidelines:. Washington, D. C.: Institute of Medicine., National Academies Press; 1990.

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