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検査値記載処方箋の活用状況と展望

学会

2017年10月10日

大会名 第50回日本薬剤師会学術大会
会期 2017年10月8日・10月9日
会場 東京国際フォーラム
演題名 検査値記載処方箋の活用状況と展望
発表形式 ポスター発表
演者名 塚本 賢児、德山 智治、穴見 江梨子、熊野御堂 悠、坂本 豊伸、尾脇 まり子、稲葉 一郎、今里 泰、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 最近、処方せんに検査値を記載する医療機関が増加している。阿蘇中央薬局では、応需した処方せんの検査値記載率と処方せん鑑査における検査値の利用頻度を平成27年4月より調査している。そこで、これらの推移と検査値が疑義照会に効果的であった事例を報告する。
方法 ハイリスク医薬品を調査の対象医薬品として、添付文書にある警告、禁忌、重要な基本的注意(以下、注意)および重大な副作用(以下、副作用)の項目から注意すべき検査値を確認した頻度を集計した。
結果 応需した処方せんの検査値記載率の推移は、約50%と大きな変化は認められなかった。平成28年10月の調査における警告、禁忌、注意および副作用で注意すべき検査値の確認頻度は、それぞれ6.3件/日、16.0件/日、28.7件/日および52.6件/日であった。疑義照会で処方変更に繋がった症例は、高カリウム血症が判明し、原因となる処方薬を中止した症例や腎機能低下が判明し、処方薬を変更した症例などがあった。
考察 処方せん鑑査において、記載された検査値を確認することで処方薬および用量の適正が判断しやすくなり、具体的な根拠をもって疑義照会を実施できた。腎機能によって用量が設定されている医薬品は多く、今回の調査でも腎機能に関する検査値を知ることで過量投与が判明し、処方変更に繋げられた症例などを経験した。また、高齢者でも比較的安全に使える医薬品は多いが、処方継続中に腎機能低下などが起こり、思わぬ健康被害に繋がりかねない状況が隠れていると考えられる。患者に自覚症状がない場合でも薬剤師が検査値を確認することでこれらの副作用を早期に発見でき、安全な薬物治療の推進に貢献できる。今後、地域医療を担う薬剤師として安全な薬物治療に貢献するため、医療機関と連携を深めていきたい。

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