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国内外におけるスイッチOTCの現状

学会

2017年10月11日

この演題について日経DIオンラインから取材を受けました!
・・・が、特に記事になったりはしませんでした。

大会名 第50回日本薬剤師会学術大会
会期 2017年10月8日・10月9日
会場 東京国際フォーラム
演題名 国内外におけるスイッチOTCの現状
発表形式 ポスター発表
演者名 今里 泰、秋山 貴子、香月 信一郎、宮野 恭彰、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 少子高齢化が進む中、医療費の増加も続いており、団塊の世代が後期高齢者となる2025年まで、残すところ8年となった。2015年度の国民医療費は41.5兆円で、前年度比3.8%(薬剤費1.4%)と高い伸び率であった。予防医学の観点からセルフメディケーションの推進が必要であることは言うまでもないが、日本は海外に比べてスイッチOTC化されている薬剤が多いとは言えないのが現状である。そのような中、厚生労働省では2016年より一般消費者からもスイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望受付を開始し、より多くの意見が反映される仕組みが整い、2017年1月1日よりセルフメディケーション税制も施行された。国内外のスイッチOTCの現状を比較検討し、展望や問題点などについて報告する。
方法 これまでに訪問したアメリカ、シンガポール、タイの薬局・ドラッグストアを現地視察し、国内外のスイッチOTCの現状を報告する。国内では未だスイッチOTC化されていないプロトンポンプ阻害薬(以下、PPI)に着目し、先発医薬品と後発医薬品のPPIの売上高を調査し、PPIがスイッチOTCになった場合の医療費削減効果を推察した。
結果 アメリカ、シンガポール、タイにおいて、日本では処方箋医薬品であるPPIや抗アレルギー剤などがスイッチOTCとして販売されている。また、国内製薬企業の決算発表および厚生労働省の薬価調査によると、2015年度の国内におけるPPIの売上高は先発医薬品5剤で約1,710億円、後発医薬品も含めると約2,109億円と推算された。
考察 日本国内のPPIをスイッチOTC化すれば、薬材料の一部を削減できる可能性がある。対前年度比の2015年度の国民医療費の伸び率3.8%の36.8%に当たる1.4%は薬剤料が占めており、薬剤料を削減することは国民医療費削減のために極めて重要である。長年使用されて安全性が確立されている薬剤は、諸外国のように積極的にスイッチOTC化すべきである。一方、PPIをスイッチOTC化した場合のリスクも考慮する必要があり、PPIを長期服用している患者では大腿骨頸部骨折が増加するとの報告がある。また、胃がんの初期症状の不顕性化の問題も考えられ、リスクとベネフィットを考慮しながらスイッチOTCを推進しなければならない。
この記事を書いた人
みやの
Web・DTP担当

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