We Blog WeBlog

薬剤取違えヒヤリ・ハット報告の分析と安全対策

論文

2017年12月2日

雑誌名 九州薬学会会報 Vol.71 2017
表題 薬剤取違えヒヤリ・ハット報告の分析と安全対策
Data Analysis of Near-Miss Event Information to Promote Medical Safety
著者名 矢敷 潤、櫻井 瞳、田代 泰理、長尾 尚俊、東島 彩香、水町 隆平、近藤 優樹、永﨑 一樹、河野 吉昭、香月 信一郎、木戸 宏幸、湯川 栄二
要旨 調剤事故防止の対策を単独の薬局で行っていたが、複数の薬局でヒヤリ・ハット事例を共有し、薬局間での偏りなどを比較する体制を整えることで、効果的な対策を実施できると考え、統一したヒヤリ・ハット報告書を作成し、各薬局からの報告を集計・比較分析できる体制を構築・実施した。その結果、重大な調剤事故に繋がる可能性のある薬剤取違えがバーコード読み取り式調剤支援システムを使用していないA薬局においては他の薬局よりも多いことが判明した。そこで、A薬局に薬剤ごとの棚番号を割り当て、調剤時に棚番号を確認しながら調剤できるシステムを構築した結果、薬剤取違え率は約2/5まで低下(平成26年7月~11月 0.52%、平成27年3月~平成28年3月 0.21%)した。対照的に、バーコード読み取り式調剤支援システムを採用しているB、C、およびD薬局では、A薬局に比べて薬剤取違え率は顕著に小さかった(B薬局 0.01%、C薬局 0.03%、D薬局 0.004%)。薬剤取違えを防ぐため、バーコード読み取り式調剤支援システムの導入は有用である。

Contact Us

ご意見、ご相談、料金のお見積もりなど、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

TOP