海外のOTC医薬品の現状視察から、日本のプロトンポンプ阻害薬のOTC化を問う
学会
2019年7月15日
大会名 | 医療薬学フォーラム2019 |
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会期 | 2019年7月13日・7月14日 |
会場 | 広島国際会議場 |
演題名 | 海外のOTC医薬品の現状視察から、日本のプロトンポンプ阻害薬のOTC化を問う |
発表形式 | ポスター発表 |
演者名 | 宮野 恭彰、藏本 彩加、秋山 貴子、香月 信一郎、木戸 宏幸、湯川 栄二 |
目的 | プロトンポンプ阻害薬(以下、PPI)のOTC化は医療費削減とセルフメディケーションの観点から有益であるが「第6回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」ではPPIのOTC化は見送られた。海外のOTC医薬品の現状を調査し、今後の日本のPPIのOTC化における問題点の解決を探る。 |
方法 | 海外の薬局を現地視察して得られた、海外のOTC医薬品の現状を報告する。 |
結果 | アメリカ、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、中国(香港、台湾、マカオ)において、PPIがドラッグストアやスーパーマーケットで実際に購入可能であった。OTC化への問題点として「長期服用による副作用のリスク」「癌の症状のマスク」「短期服用の担保が困難」などが挙げられた。 |
考察 | PPIは長年使用されて安全性が確立されていることから、海外のようにOTC化すべきである。副作用発現は短期服用では問題とならず、癌の症状のマスクについては、服用後に症状が改善しない場合の受診勧告を徹底すればよい。短期服用を担保する方法の一例として、保険薬局(健康サポート薬局)でのみ販売可とし、購入時に専用スマートフォンアプリまたは専用サイトとの連動を必須とすれば、複数の店舗にまたがる大量購入を防止できる。これは「処方箋なしでは入りづらい」とされる保険薬局のイメージ払拭にもつながると考える。 |