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ブロチゾラム錠の先発医薬品使用理由の調査

学会

2019年10月13日

大会名 第52回日本薬剤師会学術大会
会期 2019年10月13日・14日
会場 下関市民会館 ほか
演題名 ブロチゾラム錠の先発医薬品使用理由の調査
発表形式 ポスター発表
演者名 長尾 尚俊、矢敷 潤、東島 彩香、近藤 優樹、前田 恵里、河野 吉昭、香月 信一郎、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 医療費軽減のために、後発医薬品(以下、GE)を普及させる必要があるが、ゆうゆう薬局におけるブロチゾラムのGE数量シェアは、全体のGE数量シェアよりも低い。そこで、当薬局は九州薬学会会報Vol.70(2016)に平成18年と平成25年における患者のブロチゾラムのGEに対する意識変化を報告した。その中で、薬剤師の説明介入により患者のGEへの不信感を解消したことを示唆したが、現在でも先発医薬品(以下、先発品)を希望する患者が散見されるため、その理由を調査した。
方法 先発品を希望している患者を対象に、先発品を選択する理由について服薬指導時にアンケート調査を実施した。調査期間は平成30年10月1日から12月31日までの3ヶ月間である。
結果 調査期間中の来局者数は5786人、全体のGE数量シェアは79.2%であり、ブロチゾラムのGE数量シェアは67.7%であった。調査実施総数26人中、拒否数は3人で回答率は88.5%であった。先発品を選択した理由は、GEに対する不安があるため(39.1%)、GEで効果不十分のため(34.8%)、処方せん記載通りが良いため(8.7%)、その他(17.4%)であった。23人中9人(39.1%)が本剤のGE服用歴があり、先発品を再選択した理由は、「GEで効果不十分のため」が最も多かった(88.9%)。GE服用歴のない患者14人が先発品を選択し続けている理由は、「GEに対する不安があるため」が最も多かった(57.1%)。
考察 不眠は心理的な要因が影響することもあるため、先発品を希望する理由にはGEに対する不信感が影響している可能性がある。GEを服用した患者においては、先発品を再選択した理由として「GEで効果不十分のため」と回答する患者が多く、睡眠導入剤は日ごとに効果判定ができる薬剤であるため、不信感を抱く患者が多いのではないかと推察される。最初からGEを服用しない患者は、先発品を選択し続けている理由として「GEに対する不安があるため」と回答する患者が最も多く、その中の半数以上が本剤以外の併用薬についても先発品を希望していることを踏まえると、先発品を服用する患者の多くはGEそのものに対し、不信感を持っている印象がある。GEに関する丁寧な説明を積極的かつ継続的に行うことにより、GEに対する不信感を解消することが、ブロチゾラムのGE数量シェア増加に最も効果的と考える。

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