Helicobacter pylori 除菌におけるパック製剤の有用性の検証
論文
2020年12月1日
雑誌名 | 九州薬学会雑誌 Vol.74 2020 |
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表題 | Helicobacter pylori 除菌におけるパック製剤の有用性の検証 Verification of Usefulness of Pack Formulation in Helicobacter pylori Eradication |
著者名 | 坂本 豊伸、德山 智治、穴見 江梨子、塚本 賢児、天方 奉子、稲葉 一郎、宮野 恭彰、木戸 宏幸、湯川 栄二、寺﨑 久泰 |
要旨 | Helicobacter pylori 除菌(以下、除菌)は胃炎を改善し、消化性潰瘍や胃がんなどの関連疾患の治癒および症状の進展を防ぐことが期待できる。合剤は服薬アドヒアランスの向上が期待できると報告があり、除菌治癒のためにパック製剤が販売されている。そこで、アモキシシリンカプセル250mg、クラリスロマイシン錠200mgおよびボノプラザンフマル酸塩錠20mgの3剤をPTPシートで投薬した群(以下、PTP群)とボノサップ®パック400を投薬した群(以下、パック群)で除菌成功率を比較した。その結果、除菌成功率はPTP群86.6%、パック群90.4%で、70歳以上の患者の除菌成功率はPTP群79.1%、パック群84.4%であった。しかし、どちらの場合でも統計学的な有意差は認められなかった(それぞれP = 0.481、P = 0.363)。今回の研究結果では、3剤のPTPシート投与とパック製剤投与のどちらかを強く推奨することにはならない。しかし、70歳以上の患者ではパック製剤の特長により飲み忘れや飲み間違いの防止に繋がると思われる。 |