シックデイ
2023年4月20日
シックデイについて調べました。
参考:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2019」
参考:日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会「糖尿病標準診療マニュアル2022」
参考:前橋赤十字病院|シックデイ時の対応
シックデイとは
糖尿病患者が、感染症などによる発熱、下痢、嘔吐や食欲不振のために食事が摂れない状態をシックデイと呼ぶ。
シックデイの際には、脱水予防のため十分に水分を摂取し、できるだけ摂取しやすい形(お粥、麺類、果汁など)で糖分を摂取し、エネルギーを補給する。
一方、食事摂取不良であるからといって、インスリンや経口血糖降下薬を中断すると著明な高血糖となる危険性がある。
シックデイ時の対応
・中間型または持効型インスリン注射→継続
・追加インスリン→食事量(主に糖質)、血糖値、ケトン体に応じて調節
・ビグアナイド薬→中止
・SGLT2阻害薬→中止
・スルホニル尿素薬→食事摂取不良である場合は調整が必要なため医療機関に連絡
例:主食がいつもの半量以上→通常量
例:主食がいつもの半量未満→中止
・グリニド系薬→食事摂取不良である場合は調整が必要なため医療機関に連絡
例:主食がいつもの半量以上→通常量
例:主食がいつもの半量未満→通常の半量
例:主食が全く摂れない→中止
※通常は食直前服用だが、シックデイ時は食直後
・α-グルコシダーゼ阻害薬→消化器症状の強いときには中止
・チアゾリジン薬→中止可能
・インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬)→消化器症状の強いときには中止
※ガイドラインによると「現在コンセンサスが得られていない」とのこと
・テトラヒドロトリアジン系薬→休薬?
※ガイドラインには記載なし
おまけ
英語のシックデイ対策(S・I・C・K)を見つけました。
Sugar | Check your blood glucose level every 2 to 3 hours necessary (even more frequently for pregnant women and children) |
---|---|
Insulin | Always continue to take your insulin even when you are sick to avoid DKA. |
Carbs | Make sure you take in enough carbs and drink enough fluids. If your glucose level is high, stick with sugar-free drinks. If your glucose level is low, drink carb-containing drinks. |
Ketones | Check your blood or urine ketone levels every 4 hours. Take rapid-acting insulin if ketones are present. Remember to drink plenty of water to flush out the ketones out of your system. |
インクレチン関連薬とテトラヒドロトリアジン系薬についてはわかり次第追記します。
低血糖、乳酸アシドーシス、糖尿病性ケトアシドーシスについては別記事でやろうと思います。
ケミストでは「ブログ」のテーマを募集しています!
調べてほしい、まとめてほしい薬の情報がありましたら教えてください。