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調剤事故の分析と対応①~EXCELを活用した報告書統一から収集方法の確立~

学会

2014年11月27日

大会名 第76回九州山口薬学大会
会期 2014年11月23日・11月24日
会場 長崎ブリックホール
演題名 調剤事故の分析と対応①~EXCELを活用した報告書統一から収集方法の確立~
発表形式 ポスター発表
演者名 矢敷 潤、福田 淳、岡元 みなみ、河野 吉昭、田代 泰理、田辺 晃啓、橋本 彩、東島 彩香、東村 友絵、水町 隆平、櫻井 瞳、永﨑 一樹、東 正直、香月 信一郎、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 調剤事故は起こしてはならないが、人間は間違えを起こすものであり、間違えを完全に排除することは困難である。この事を念頭において様々なヒヤリハット対策が論じられ、講じられて来た。当研究グループにおいて、ヒヤリハット対策はそれぞれの薬局で個別の対策を実施していた。報告書の書式や運用も統一されていなかったが、最近の薬物治療の複雑化に伴いヒヤリハット事例も増加している為、新たな対策方法が必要であると感じた。そこで当研究グループにおいて統一した報告書を作成し、ヒヤリハット事例を研究グループに参加している4つの薬局にて収集し、各薬局のシステムの違い等を考慮して分析することで、より事故の少ない調剤を行えるのではないかと考えた。今回は報告書と集計表を広く普及しているEXCELで作成し、EXCELの利点を生かすべく電子情報としての保管と共有を行い、簡易な入力のみでグラフ化まで可能とするシステムの構築までを目標とした。
方法 月に一度当研究グループにて、報告書に記載すべき内容とその運用方法等について会議を実施した。報告書のフォーマットは、日本医療機能評価機構で行われているヒヤリハット報告事業に報告する事を視野に入れ、必要な事項を記載できる形式となるように工夫した。また、導入当初から報告事例の漏れが懸念された為、その対策としての確認表(調剤過誤の発生時に当事者と発見者の両名が捺印し、記録の完了までを管理する表)を作成した。
結果 EXCELを用いて、電子的な報告書とそれに対応する集計表を作成することが出来た。報告書はチェックボックスを多用して記載者の負担にならないように考えた。報告書のチェックボックスには数字や記号を割り振り、集計表の対応する箇所にそれらを入力すれば集計結果が自動的に作成される。H26/5/1より全薬局でトライアルを開始し、報告書を実際に使用してヒヤリハット報告を行い改良を重ねた。その結果、7/1以降の報告においては、集計結果のグラフ化までを自動的に行えるシステムを実現させた。報告書は毎週、集計表は月に一度メールにて共有する体制としている。
考察 一般にヒヤリハット報告は慣れにより報告を怠り少なくなる傾向なので、現在の記載率を維持できるように確認表と報告書の改良が今後の課題である。加えて結果の分析がしっかりと出来れば業務の改善につながるので、分析しやすくなるようにEXCELの利点をフル活用出来る知識も必要になる。

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