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スイッチOTC医薬品の国内外の現状と展望

学会

2017年9月21日

大会名 第78回九州山口薬学大会
会期 2017年9月17日・9月18日
会場 シーガイアコンベンションセンター
演題名 スイッチOTC医薬品の国内外の現状と展望
発表形式 ポスター発表
演者名 宮野 恭彰、秋山 貴子、今里 泰、香月 信一郎、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 医薬品のスイッチOTC化には、医療用医薬品での使用実績、要指導・一般用医薬品が適切と考えられる理由、副作用の発生状況、海外での使用状況などの観点による検証が必要である。厚生労働省では平成28年度より一般消費者からもスイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望受付を開始し、より多くの意見が反映される仕組みが整った。平成28年12月9日に厚生労働省より発表された「スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望募集で提出された要望一覧」には緊急避妊薬であるレボノルゲストレル(以下、LNG)やプロトンポンプ阻害薬(以下、PPI)なども挙がっているが、海外ではすでにOTC医薬品として販売されている。国内外のスイッチOTC医薬品の現状を調査し、展望や問題点を報告する。
方法 アメリカ、シンガポール、タイ、ベトナムの薬局・ドラッグストアを現地視察し、海外のOTC医薬品の現状を調査した。厚生労働省より発表された「スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望募集で提出された要望一覧」に挙げられている医薬品のうち、特にLNG、PPIに着目し、国内外での使用状況を元にスイッチOTC化に向けての問題点を考察した。
結果 アメリカ、シンガポール、タイ、ベトナムの薬局・ドラッグストアにおいて、国内では処方箋医薬品であるLNG、PPIなどがOTC医薬品として販売されていた。
考察 スイッチOTC化の要望は毎年公開されているが、実際にスイッチOTC化に至るのはごくわずかである。医療経済やセルフメディケーション推進の観点からも、長年使用されて安全性が確立されている医薬品は、海外のように積極的にスイッチOTC化すべきである。LNGは緊急避妊法として性交渉後72時間以内の服用が一般的だが、できる限り早く服用するほど有効という報告もある。スイッチOTC化すれば、薬局やドラッグストアで処方箋なしに入手できるが、副作用、プライバシーに対する配慮、倫理的観点および価格などの問題が伴うため、店頭での薬剤師による服薬指導の徹底、学校薬剤師による教育および服用後の医療機関受診の必須化などの対策を講じる必要がある。また、PPIを長期服用している患者は大腿骨頸部骨折が増加するとの報告があり、胃がんの初期症状の不顕性化の問題もあり、リスクとベネフィットを考慮しながらスイッチOTC化を推進しなければならない。
この記事を書いた人
みやの
Web・DTP担当

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