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災害用処方箋の疑義照会分析と今後の展望

学会

2018年6月25日

この演題は医療薬学フォーラム2018において、優秀ポスター賞を受賞しました。

大会名 医療薬学フォーラム2018
会期 2018年6月23日・6月24日
会場 東京ビッグサイト
演題名 災害用処方箋の疑義照会分析と今後の展望
発表形式 ポスター発表
演者名 穴見 江梨子、坂本 豊伸、尾脇 まり子、熊野御堂 悠、德山 智治、塚本 賢児、天方 奉子、稲葉 一郎、今里 泰、木戸 宏幸、湯川 栄二
目的 熊本県阿蘇郡南阿蘇村は、平成28年4月14日と16日に発生した熊本地震により外来受診が困難な状況に陥った。そのため村内の各避難所では仮設診療所などが設置され、その中で災害用処方箋が発行された。一部を当薬局で応需したが、多くの処方箋に疑義照会を行ったため、その内容を分析した。
方法 熊本地震発生直後から当薬局で応需したすべての災害用処方箋について疑義照会件数を調べ、さらに疑義照会内容を「(1)用法・用量不備 (2)薬品名不備 (3)日数不備 (4)同種同効薬変更 (5)薬学的疑義 (6)その他」の項目に分類・集計した。
結果 災害用処方箋の応需期間は4月20日から5月28日、応需枚数は129枚、そのうち疑義照会を行ったのは96枚、疑義照会件数は158件となった。内容別では(1)用法・用量不備88件、(2)薬品名不備22件、(3)日数不備8件、(4)同種同効薬変更10件、(5)薬学的疑義24件、(6)その他6件となった。
考察 応需した災害用処方箋の約4分の3が疑義照会の対象となり、そのうち最も多かったのは用法・用量不備(55.7%)によるものだった。災害用処方箋は手書きであり、用法を正式に記入するのは煩雑であったためと考えられる。被災地の薬局は、医療支援チームと連携を図って災害用処方箋に対応すべきであるが、統一された災害用処方箋が全国規模で医療関係者に周知されれば、処方箋不備による疑義照会が減ると期待できる。

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